
乾癬(Psoriasis)は、表皮の炎症と角化細胞のターンオーバー(新陳代謝)の亢進を認め、炎症や赤み、銀白色の鱗屑(りんせつ:フケのような剥がれ)が生じる慢性皮膚疾患です。根本的な原因は不明ですが、免疫学的要因、遺伝的要因や環境要因が関与します。
乾癬の症状
乾癬の症状は部位によって異なりますが、主に赤み・皮膚の厚み・フケのような鱗屑(りんせつ)が特徴です。
- 尋常性乾癬(最も一般的な乾癬)
- 赤い発疹(紅斑)と白い鱗屑ができる
- 主な発生部位:四肢伸側(肘・膝)・頭皮・体幹など
- かゆみを伴うこともある
- 滴状乾癬
- 小さな赤い発疹が全身に広がる(風邪・扁桃炎後に出現しやすい)
- 乾癬性関節炎
- 皮膚症状に加えて、関節の腫れや痛みが出る
- 乾癬性紅皮症
- 全身の皮膚が赤くなり、重度の炎症を伴う
- 膿疱性乾癬
- 白い膿が溜まった発疹ができる(発熱を伴うこともある)
乾癬の治療方法
乾癬は慢性疾患のため、症状をコントロールしながら長期的に管理していく必要があります。
- 外用療法(塗り薬)
- ステロイド外用薬
- ビタミンD3外用薬
- Ah R調整薬(ブイタマー)
- 内服療法(飲み薬)
- 免疫抑制薬(シクロスポリン):免疫異常を抑制
- ビタミンA誘導体(エトレチナート):皮膚の角化異常を改善
- PDE4阻害薬(アプレミラスト):炎症を抑える
- 光線療法(紫外線治療)
- 生物学的製剤
重症例には、免疫の異常をピンポイントで抑える生物学的製剤を使用します。
まとめ
乾癬は慢性皮膚疾患で完全に治すことは難しいですが、適切な治療で症状をコントロールすることが可能です。当クリニックでは、保険診療での治療を中心に、患者様のライフスタイルに合わせた管理をサポートします。乾癬の症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。