
口唇・顔面ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)の感染によって発症する皮膚疾患です。唇や顔に小さな水ぶくれ(水疱)ができ、ピリピリとした痛みやかゆみを伴うのが特徴です。ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節に潜伏し、体調不良やストレスなどで再発することが多いです。
口唇・顔面ヘルペスの原因
口唇ヘルペスの原因は、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)の感染によるものです。主な感染経路や発症の要因は以下の通りです。
- 初感染(ウイルスの感染)
- 感染者との接触(キス・食器の共有など)で感染
- 幼少期に親からうつることも多い
- 再発(ウイルスの再活性化):一度感染したウイルスは体内の神経節に潜伏し、以下の要因で再発する
- ストレス・疲労・睡眠不足
- 風邪・発熱・インフルエンザ
- 紫外線・乾燥・外的刺激
- 免疫力の低下(過労・病気・がん治療中など)
口唇・顔面ヘルペスの症状
口唇・顔面ヘルペスは、症状の進行段階があるのが特徴です。
- 前兆期(ピリピリ・かゆみ・違和感)
- 発症の1〜2日前から唇や顔がピリピリ・チクチクする
- 違和感やムズムズ感
- 発症期(水疱・痛み)
- 小さな水ぶくれ(水疱)が発生し、痛みや赤みが出る
- 触ると痛い(食事や会話がつらいことも)
- びらん・かさぶた期(かさぶたができる)
- 水疱が破れ、びらん(ただれ)ができる
- 乾燥してかさぶたができる(治癒に向かう)
口唇・顔面ヘルペスの治療方法
ヘルペスは早期治療が重要です。発症初期(ピリピリした違和感)で治療を開始すると、重症化を防げます。
- 抗ウイルス薬(飲み薬・塗り薬)
- 内服薬(バルトレックス・アメナリーフ・ゾビラックス)
- 初感染・重症例・頻繁に再発する人に推奨
- 早期に服用すると治癒期間が短縮される
- 外用薬(ゾビラックス軟膏・アラセナA軟膏)
- 軽症なら塗り薬で対応可能
- 症状の悪化を防ぐ
- 症状の緩和ケア
- かさぶたを無理に剥がさない(跡が残る原因になる)
- 保湿ケア(ワセリンなどで乾燥を防ぐ)
- 痛みが強い場合は鎮痛剤(ロキソニン・カロナール)を使用
口唇・顔面ヘルペスの予防と生活習慣の改善
口唇・顔面ヘルペスの予防と生活習慣の改善は、以下の通りです。
- 免疫力を高める(規則正しい生活・バランスの良い食事)
- ストレス管理をする(リラックス・睡眠をしっかりとる)
- 紫外線対策(UVカットリップ・日焼け止め)
- 唇を乾燥させない(ワセリン・保湿リップを使用)
- 感染拡大を防ぐ(患部に触れたら手を洗う)
重症化を予防するために
口唇・顔面ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)による感染症で、発症初期のピリピリした違和感がある段階で治療を開始すると、重症化を防ぐことができます。
- 早めの抗ウイルス薬で治療
- 免疫力を高めて再発予防
- かさぶたは無理に剥がさない
まとめ
当クリニックでは、保険適用の抗ウイルス薬を中心に、スキンケア指導や再発予防の指導を行っています。