
頭痛は、多くの人が経験する症状の一つで、原因や種類によって治療方法が異なります。日常的に起こる緊張型頭痛や片頭痛のほか、くも膜下出血や脳腫瘍などの重大な疾患が原因となることもあります。頭痛が繰り返し起こる場合や、突然の強い痛みがある場合は、早めの受診が必要です。
頭痛の原因
頭痛は大きく一次性頭痛と二次性頭痛に分類されます。
- 典型的な一次性頭痛の症状
- 緊張型頭痛:首や肩の筋肉が緊張し、頭全体が締め付けられるような痛み
- 片頭痛:こめかみ周辺がズキズキと痛み、吐き気や光・音に敏感になる
- 群発頭痛:片目の奥が激しく痛み、涙や鼻水が出る(特に男性に多い)
- これらの頭痛が併発している場合もあります。
- 二次性頭痛
- 典型的な症状を記載していますが症状の重症度や場所によっては異なる症状の場合があります
- くも膜下出血:突然バットで殴られたような強烈な痛み
- 脳梗塞・脳出血:めまい・しびれ・ろれつが回らないなどの症状を伴う
- 髄膜炎:発熱・首のこわばり・意識障害を伴う
- 高血圧による頭痛:早朝にズキズキする痛み
- 副鼻腔炎(蓄膿症):顔面や額に重い痛みを感じる
- 眼精疲労やストレス:パソコン作業などによる目の疲れが原因
頭痛の検査
頭痛の原因を特定するために、以下の検査を行います。
- 問診・診察
- どんな痛みか(ズキズキ・締め付け・ズーンとした痛み)
- 頭痛の頻度・持続時間(数分・数時間・数日)
- どんなタイミングで起こるか(朝・夜・疲労時・特定の動作)
- 他の症状(吐き気・しびれ・視界異常・発熱)
- 身体診察・神経学的検査
- 血圧測定(高血圧性頭痛の可能性)
- 眼底検査(脳圧上昇の有無を確認:当院では行なっておりません)必要な場合は眼科と連携します
- 首のこわばり(髄膜炎の可能性)
- 画像検査
- MRI・CT(くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍の有無を調べる)
- 連携している大学病院・総合病院などの専門医療機関や目黒駅周辺のメディカルスキャニングクリニックへご紹介します
- 副鼻腔レントゲン(副鼻腔炎の有無を確認)
頭痛の診断方法
診察や検査の結果から、典型的な症状の場合、以下のように診断されることがあります。
-
ストレスや姿勢の影響で頭が締め付けられる痛み
緊張型頭痛の疑い
-
ズキズキする痛み+吐き気+光や音がつらい
片頭痛の疑い
-
突然の激痛・意識障害を伴う
くも膜下出血の疑い
-
朝のズキズキする痛み+高血圧
高血圧性頭痛の疑い
-
顔面の重だるい痛み+鼻づまり
副鼻腔炎の疑い
典型的な症状でも異なる診断となる場合があります。決めつけることは危険ですので、早めの医療機関受診をおすすめします。
頭痛の治療方法
頭痛の種類に応じて、以下の治療を行います。
- 一次性頭痛の治療(緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛)
- 緊張型頭痛:ストレッチ・温める・鎮痛薬(ロキソニン・カロナール)など
- 片頭痛:片頭痛専用薬(トリプタン系)、カフェインを含む薬、静かな環境で休息など
- 群発頭痛:酸素吸入、カルシウム拮抗薬(予防薬)など
- 二次性頭痛の治療(脳梗塞・くも膜下出血・高血圧など)
- くも膜下出血:緊急手術が必要(クリッピング手術、血管内治療)など
- 脳梗塞:血栓を溶かす薬(tPA)、抗血小板薬など
- どちらも高度医療機関での治療となります。
- 高血圧性頭痛:降圧剤の服用、塩分制限、生活習慣の改善など
- 副鼻腔炎:抗生物質、鼻洗浄など
頭痛があるときの対処法
- 緊張型頭痛 首・肩のストレッチ、入浴、マッサージなど
- 片頭痛 静かな暗い部屋で休む、カフェインの摂取など
- 群発頭痛目の周りを冷やす、酸素吸入(医療機関で)など
- 危険な頭痛のサインがあればすぐに受診
受診の目安
以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 突然バットで殴られたような痛み(くも膜下出血の疑い)
- 手足のしびれ・意識がもうろうとする(脳梗塞・脳出血の疑い)
- 今までに経験したことのない強い頭痛
- 頭痛がどんどん悪化し、数日続く
- 39℃以上の発熱+頭痛(髄膜炎の疑い)
- 目の奥が激しく痛み、涙や鼻水が出る(群発頭痛の可能性)
まとめ
頭痛はよくある症状ですが、中には重大な病気が隠れていることもあります。突然の強い痛みや意識障害を伴う場合は、すぐに受診が必要です。当クリニックでは、詳しい診察・検査を行い、適切な治療を提供いたします。頭痛でお困りの方は、お気軽にご相談ください。