
発熱は、体温が通常の範囲を超えて上昇する状態を指します。発熱は、ウイルスや細菌の感染、炎症、免疫系の異常など、さまざまな原因によって引き起こされます。発熱自体は体の防御反応の一つであり、多くの場合、一時的なもので自然に治ります。しかし、高熱が続いたり、他の症状を伴う場合は、医療機関を受診することが重要です。
発熱の原因
発熱は以下のような原因で起こります。
- 感染症(最も一般的な原因)
- ウイルス感染:風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスなど
- 細菌感染:扁桃炎、肺炎、尿路感染症など多岐にわたる
- その他の感染症:結核、マイコプラズマ感染症など
- 炎症や免疫異常
- 自己免疫疾患(関節リウマチ、膠原病など)
- アレルギー反応
- その他の炎症性疾患や免疫異常
- 熱中症
- 薬の副作用
- がん(悪性リンパ腫など)
- その他
発熱の検査
発熱の原因を特定するために、以下のような検査を行います。
- 問診・診察:症状の経過、併発症状、感染の可能性を確認
- 血液検査:白血球数、炎症マーカー(CRP)、感染の有無を調べる
- 尿検査:尿路感染症の可能性を評価
- 咽頭ぬぐい液検査:溶連菌やインフルエンザなどの迅速検査
- 画像検査:胸部レントゲンで肺炎の有無を確認
発熱の診断方法
発熱の診断は、問診・診察+検査結果を総合的に評価して行います。
例えば、
-
ウイルス感染症
のどの腫れや鼻水があり、血液検査ではウイルス感染の兆候がある
-
細菌感染症
高熱が続き、血液検査で白血球が増加、CRP値が高い
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熱中症
高温環境での作業後に発熱し、脱水症状がある
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自己免疫疾患
発熱が長期間続き、特定の抗体検査で異常が見られる
発熱の治療方法
発熱の治療は、原因に応じて適切に行います。
- 感染症に対する治療
- ウイルス感染:自然に回復することが多く、安静・水分補給・解熱剤(必要時)を使用
- 細菌感染:抗生物質の投与(扁桃炎、肺炎、尿路感染症など)
- インフルエンザ:抗インフルエンザ薬の使用(発症48時間以内が効果的)、使用しなくても健常な方や若年の方は自然軽快することも多い
- 解熱・症状緩和
- 解熱剤(カロナール、ロキソニンなど)を使用
- 水分補給(経口補水液などで脱水を防ぐ)
- 十分な休息
- その他の原因に対する治療
- 熱中症:冷却、点滴による水分・電解質補給
- 自己免疫疾患:ステロイドや免疫抑制剤の使用
- 薬の副作用:原因となる薬の中止
受診の目安
以下の症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 39℃以上の高熱が続く
- 意識がぼんやりする、ぐったりしている
- 強い頭痛、胸痛、息苦しさを伴う
- 発熱が5日以上続く
- 基礎疾患をお持ちの方や高齢者の方で脱水のリスクがある
まとめ
発熱は一般的な症状ですが、原因によって対応が異なります。自己判断せず、適切なタイミングで医療機関を受診することが大切です。当クリニックでは、迅速な診断と適切な治療を提供し、安心して回復できるようサポートいたします。発熱に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。