
【風疹】
風疹は、風疹ウイルスに感染することによって発症する感染症です。飛沫感染や接触感染により人から人へと広がり、感染力はインフルエンザ並みに高いとされています。近年、成人男性を中心とした風疹の流行が問題となり、特に妊娠初期の女性が感染すると、胎児に深刻な影響を及ぼすリスク(先天性風疹症候群)があるため、社会的にも非常に重要な感染症です。
【麻疹(はしか)】
麻疹は、麻疹ウイルスによる非常に感染力の強い感染症です。感染するとほぼ100%発症するといわれており、重篤な合併症(肺炎、脳炎)を引き起こす可能性があるため、医療機関でも非常に警戒されています。
【水疱瘡(みずぼうそう)】
水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症で、主に小児に発症しますが、大人が感染すると重症化しやすいことが知られています。空気感染力が非常に高く、保育園・幼稚園・学校などで集団感染が起こることもあります。
主な症状と経過
風疹・麻疹・水疱瘡の主な症状と経過は以下の通りです。
- 風疹
- 感染後、2~3週間の潜伏期間を経て、以下の症状があらわれます。
- 軽い発熱(37〜38℃台)
- 全身の淡い発疹(顔面から始まり全身に拡大)
- リンパ節の腫れ(特に耳の後ろ、後頭部)
- 軽い咳や鼻水
- 通常、症状は3〜5日程度で自然に軽快しますが、大人では重症化することがあり、 関節痛、血小板減少症、脳炎などを合併することもあります。
- 麻疹(はしか)
- 感染後、10~12日間の潜伏期間を経て、以下の経過をたどります。
- 【前駆期(カタル期)】高熱(38℃以上)、強い咳、鼻水、結膜炎(目の充血)、コプリック斑(頬の内側に白い斑点が出現、診断の手がかり)
- 【発疹期】さらに高熱(39~40℃)、顔から始まる紅い発疹が全身に拡大、2〜3日後、発疹は褐色になり、やがて色素沈着を残して回復に向かう
- 症状は重篤で、全身の強いだるさや食欲低下を伴います。 肺炎(約5%)や脳炎(約0.1%)などの合併症もあり、死亡例も報告されています。
- 水疱瘡(みずぼうそう)
- 感染後、14~16日間の潜伏期間を経て、以下の症状が出現します。
- 微熱または高熱(37〜39℃)
- 体幹部を中心に小さな赤い発疹が出現
- 発疹は数時間以内に水疱(水ぶくれ)になり、かゆみを伴う
- 水疱はやがて膿疱化し、数日でかさぶたになり治癒
- 新しい発疹が次々に現れるため、さまざまな段階の発疹が同時に観察されるのが特徴です。 大人が感染すると、肺炎や脳炎など重篤な合併症のリスクが高くなります。
風疹・麻疹・水疱瘡の近年のエビデンス
風疹・麻疹・水疱瘡の近年のエビデンスを説明します。
- 風疹
- 厚生労働省の報告(2022年)によれば、日本では2018年~2019年に都市部を中心に大規模流行が発生しました。 特に1970年代生まれの男性でワクチン未接種者が多く、国が抗体検査と予防接種を推奨しています。
- 麻疹(はしか)
- 日本では2015年に麻疹排除がWHOから認定されましたが、 2023年にも海外から持ち込まれた症例により小規模な院内感染が発生しており、ワクチン接種率の維持が強く求められています(国立感染症研究所 2023年報告)。
- 水疱瘡(みずぼうそう)
- 2020年以降、日本では水痘ワクチン定期接種(1歳・3歳)導入効果により、 小児の発症数が大幅に減少しました(厚生労働省・感染症発生動向調査 2022年報告)。 一方で、成人発症例は依然として存在し、特に帯状疱疹発症リスクも課題となっています。
風疹・麻疹・水疱瘡の予防
風疹・麻疹・水疱瘡の予防方法を説明します。
- 風疹
- 最も効果的な予防法は風疹ワクチン接種(MRワクチンなど)です。 当院でも風疹抗体検査およびワクチン接種を実施しています。
- 麻疹(はしか)
- MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)接種が最も効果的です。 2回接種完了者はほぼ確実に発症を防ぐことができます。
- 水疱瘡(みずぼうそう)
- 水痘ワクチン接種が最も効果的な予防策です。 未感染者やワクチン未接種者は、成人でも積極的に接種が推奨されています。
感染症予防の第一歩は「知ること」と「備えること」
風疹・麻疹・水疱瘡の感染症対策方法を説明します。
ルアクリニックではすべて対応しております。
- 抗体検査(風疹・麻疹・水痘)
- 予防接種(MRワクチン・水痘ワクチン)
- 発症時の迅速な診断と適切な治療
感染症対策は、あなた自身だけでなく、大切なご家族や周囲の方々を守るためにも重要です。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
当院では、適切な診断と治療を行い、患者様に合ったスキンケアや予防策をご提案いたします。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。