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東京都品川区上大崎2丁目15-18
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目黒の内科・皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科|ルアクリニック

感染後咳嗽(がいそう)

治りにくい咳の正体

風邪や急性気管支炎などの呼吸器感染症が治った後も、他の症状は改善したのに、乾いた咳(空咳)だけが3週間以上続くことがあります。

これを「感染後咳嗽」と呼びます。昔は「せきのこり」「かぜ後の咳」という呼び方もされていました。この状態では、レントゲンなどの画像検査をしても肺に明らかな異常は見られず、

多くの場合は時間とともに自然に改善していくのが特徴です。しかし、咳が長引くと、夜眠れなくなったり、胸の痛みを感じたり、精神的な不安や落ち込みにつながることもあり注意が必要です。

感染後咳嗽(がいそう)の原因

感染後咳嗽の具体的な原因はまだ完全に解明されているわけではありませんが、現在の研究からいくつかのメカニズムが考えられています。

  • 気道の過敏性の亢進

    風邪などの感染症によって気道の粘膜に炎症が起こると、気道が非常に敏感な状態になります。これにより、通常なら何ともないはずのわずかな刺激(冷たい空気、乾燥、会話、運動など)にも反応して咳が出てしまうと考えられています。これは、気道にある咳受容体が炎症によって活性化されやすくなるためと考えられています。

  • 粘液線毛クリアランスの障害

    気道の粘液と線毛は、異物を体の外へ排出する重要な役割を担っています。感染症によってこの機能が一時的に低下すると、気道に溜まった少量の分泌物や刺激物がスムーズに排出されず、咳が続く原因となることがあります。

  • 特定のウイルスの影響

    インフルエンザウイルスやアデノウイルスなど、一部のウイルスは感染後に気道の炎症を長引かせやすい傾向があることが示唆されています。

感染後咳嗽(がいそう)の症状

感染後咳嗽の診断は、主に他の病気でないことを確認する「除外診断」によって行われます。以下の条件が満たされる場合に、感染後咳嗽と診断されます。

  • 先行する感染症

    咳が始まる前に、風邪や急性気管支炎など、何らかの呼吸器感染症の症状があった。

  • 咳の持続期間

    他の症状が治まった後も、咳だけが3週間以上継続していること。通常は8週間未満で自然に改善することが多いです。

  • 画像検査での異常なし

    胸部X線検査(場合によっては胸部CT検査)で、肺に肺炎や肺腫瘍などの明らかな異常が見られない。

  • 他の原因の除外

    咳の原因となる他の一般的な病気(例:咳喘息、気管支喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、特定の薬剤による副作用など)が、問診や検査によって除外されている。

  • 自然回復の傾向

    時間の経過とともに、咳が自然に回復していく傾向が見られること。

感染後咳嗽(がいそう)の検査

感染後咳嗽に特有の異常を検出する検査はありません。そのため、行われる検査は、主に他の咳の原因となる病気を除外するためのものです。

  • 胸部X線検査

    肺に肺炎や腫瘍などの異常がないか確認します。

  • 血液検査

    炎症反応の有無や、感染症の種類を特定する手がかりになることがあります(ただし、感染後咳嗽自体に特異的な異常は認められません)。

  • 呼気中一酸化窒素濃度測定検査

    肺の機能に異常がないか、特に咳喘息など気管支喘息との鑑別を行うために行われることがあります。

  • 喀痰検査

    痰が出ている場合に、細菌やウイルス、がん細胞などが含まれていないか調べます。

  • アレルギー検査

    アレルギー性の咳でないか確認するために行われることがあります。

これらの検査結果が基本的に正常であれば、感染後咳嗽である可能性が高まります。

感染後咳嗽(がいそう)の治療方法

感染後咳嗽は多くの場合、自然に軽快していきますが、咳が長引くことで患者さんの生活の質(QOL)が著しく低下したり、咳による物理的な刺激で気道の粘膜がさらに傷ついたりするため、症状を和らげるための治療(対症療法)が行われます。

  • 抗ヒスタミン薬

    咳反射を抑制する作用があるとされており、補助的に使用されることが多く、また眠気や口の渇きなどの副作用が出やすい点に注意が必要です。

  • 漢方薬

    麦門冬湯(ばくもんどうとう)は、日本の診療ガイドラインでも感染後咳嗽の治療選択肢の一つとして推奨されています。気道を潤し、乾燥した咳や痰の少ない咳を鎮める効果が期待されており、多くの臨床現場で用いられています。

  • 短期間のステロイド薬内服

    咳の症状が非常に強く、QOLに大きな影響を与えているような場合には、ごく短期間(数日~1週間程度)のステロイド薬(内服薬)使用されることがあります。一般的には、感染後咳嗽の治療にステロイド内服が第一選択となることは少ないです。しかし、症状が重度で、他の治療で改善が見られない場合や、喘息の既往がある場合などには、短期間の内服が検討されることがあります。ただし、副作用のリスクも考慮し、医師の厳密な診断と管理のもとで使用されます。

  • 気管支拡張薬(吸入薬)

    咳喘息との鑑別が難しい場合や、気道の狭窄(狭くなること)が疑われる場合に、気管支を広げる吸入薬(β2刺激薬など)が試されることがあります。一部の患者さんで有効性が報告されていますが、全てに効果があるわけではありません。

日常生活での注意点

  • 禁煙・受動喫煙の回避

    喫煙は咳を悪化させ、治療効果を妨げるため、禁煙は必須です。受動喫煙も避けるようにしましょう。

  • 加湿

    乾燥した空気は気道を刺激し、咳を誘発しやすいので、加湿器を使うなどして部屋の湿度を適切に保ちましょう。

  • 刺激物の回避

    冷たい空気、タバコの煙、香水、強い芳香剤、刺激の強い化学物質などは咳を誘発することがあるため、可能な限り避けるようにしましょう。

  • 十分な水分補給

    気道の乾燥を防ぎ、痰がある場合には排出を促します。

まとめ

「たかが咳」と軽視されがちですが、感染後咳嗽は非常に不快で、日常生活に影響を与えることがあります。多くの場合は自然に治るものですが、上記のような治療によってつらい症状を和らげることができます。
咳が長引く場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診しましょう。 医師が適切な診断を行い、他の重篤な疾患が隠れていないか確認した上で、あなたに合った治療法を提案します。

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